琉球大学フィルハーモニー管弦楽団第30回定期(1999年2月7日)

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 2月の演奏会案内でトップに載っていた琉球大学フィルハーモニー管弦楽団の第30回定期演奏会を聞いてきました。会場は、具志川市民芸術劇場の響ホール。指揮は常任指揮者の家田厚志。プログラムはメンデルスゾーンの序曲「ルイ・ブラス」、ドボルザークのチェロ協奏曲、ブラームスの交響曲第4番という重厚なプログラム構成。チェロは、県立芸大助教授の庭野隆之氏。

 アマチュアも含めてオケは久しぶりに聞いたので、いろいろと興味深く聞けました。また、響ホールでオケを聞くのも初めてでした。このホール、オケはどうかなと思っていたのですが、どっこい、まさに響きが豊かで、暖かい感じのする音響でした。いわゆる高音域が少し押さえられて、昔のアナログレコードを聴くような感じといえばわかりますか。特に今回のような弦楽器や木管が活躍する曲には向いていると思います。

 肝心の演奏ですが、特筆すべきはブラームスでの弦楽器の厚みのある響きです。バイオリンが特に良く音が出ていて、全体としては、なかなか良かったと思います。私自身この曲を大学時代にやったこともって、その頃との対比で聞いてしまいましたが、弦楽器は良かったと思います。今までは、沖縄の弦楽器陣はあまり評価されなかったのですが、この日の演奏会の場合は、完全に弦楽器がリードしていたような気がします。賛助出演も多かったと思いますが、沖縄全体の弦のレベルは上がったなというのが感想です。

 ところが、管楽器ははっきり言ってがっかりでした。この辺は音楽監督でもある庭野氏が弦楽器ということもあるのでしょうか。金管楽器はブラスバンド風の固めのサウンド。これはまだいいとして、問題はホルン、ソロをまともに吹けない。ホルンは難しい楽器だというのはわかりますが、それにしてもホルンのソロが出てくると、演奏のレベル以前の問題になってしまい、首をかしげざるを得ませんでした。木管陣も安心して聞けたのは、オーボエだけ。チェロ協奏曲はプログラムの解説にもあったように、独奏チェロに木管のソロが絡む箇所が多くて大変な曲ですので、木管のソロが出てくると安心して聞けなくなってしまう。意気込みはわかるのだけれど、たとえばハイドンとか別の選曲にしてほしかったというのが感想です。

 最後に、「ブラ4」は、やはりいい曲だった。響ホールはオケに向いている。琉大フィルの管楽器陣よ、奮起せよ。

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