リガチャーというのは、もちろんマウスピースにリードを固定する役目をしているわけで、いろんなものがあります。一般的には楽器を購入したときについてくるものを使うわけです。ところが、このリガチャーを換えると、音色が微妙に変わってくるのです。
私は長い間、チャールズ・ベイを使っていました。洗練されたシルバーのデザインと、リードの反対側でネジを締める構造が好きで、お気に入りでした。ところがさすがにガタが来て、ネジを溶接した部分からはずれかけてきたのです。それでしばらく楽器についていたリガチャーを使っていました。
本当はバンドレンの新しいリガチャーを買うつもりだったのですが、楽器店になかなか入ってこなくて手に入らなかったのと、沖響のクラ仲間がリコーのリガチャーを試したところ、よかったという話を聞いたので、重い腰を上げて楽器店に行きました。
リード以外の物を買いに楽器店に行くのは、久しぶりなので楽器を持たずに行くというミスをしてしまい、バンドレンのものもありましたが、結局試奏もせずに、リコーのリガチャーを買いました。何となくこのリガチャーの異様な外観に惹かれてしまったのです。
写真を見るとわかりますが、リードを取り巻いているのは金属製の網とも鎖とも言えないものです。これをネジでしめる構造になっています。で、かのクラ仲間は「鎖かたびら」と命名したのです。最初はこの異様な外観におそれをなし、吹く気になりませんでした。しばらくしてから、おそるおそる使ってみました。