ベルリン・フィルの14人(1999年7月3日)

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 ベルリン・フィルを始め世界のトップオケが沖縄に来ることは、残念ながら今世紀中はなさそうです。しかし、その一部のメンバーで構成される室内楽なら沖縄でも鑑賞できます。今回は、ベルリン・フィルの弦楽器メンバーとフルートの首席奏者エマヌエル・パユのアンサンブルがやってきました。パユは、最近のベルリン・フィルの演奏をテレビで見た方ならおわかりのとおり、演奏レベルはもちろん、とてもハンサムなことで目立つフルートです。

 残念ながらホールは音響のあまり良くない那覇市民会館でしたが、彼らの持つ高度な演奏技術やパユの芳醇なフルートの音色が十分楽しめました。弦楽器には厳しい夏場の演奏会ということもあり、最初はどうもこれがベルリン・フィルかという感じでいまいち音程やアンサンブルが決まらない感じでしたが、そこは超一流のプロ集団。プログラムの進展に応じて、雰囲気をつかみ第2部は完璧な演奏をしてたように思います。

 パユのフルートは、大きなホールでも十分響き渡る豊かな音量に加えて柔らかな音質で、フルートの魅力を再確認することができましたが、なんと言っても圧巻はバッハの「ブランデンブルグ協奏曲第5番」でした。特に2楽章、フィリップ・モルのチェンバロ、リーバーマン(恐らく)のVnとの3人のアンサンブル。一つ一つの音やフレーズが見事にコントロールされ、素晴らしい3重奏でした。チェンバロのソロの時、パユが極力抑えて吹いていたのが印象的です。これら独奏の3人に加えて、各弦楽器の絶妙な伴奏が演奏全体を生き生きとしたものにしていました。ブランデンブルクの時はチェンバロを前面に配置し、団員もチェンバロを取り巻く形で少し前に出てきたせいか、それまでと打って変わったように音楽が聞こえだしたのにはびっくりしました。

 このほか、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」も、音楽のもつ葬送的な感じが良く出ていました。時が止まるような最後のフェルマータのあとは、しばらく会場全体が黙祷を捧げているような雰囲気でした。また、グリーグの組曲「ホルベアの時代」からアリアや、グルックの「精霊の踊り」も、普段聞くことのない曲で新鮮な印象があります。アンコールは、確かビバルディの「海の嵐」の第4楽章とグリーグの「ホルベアの時代」から1楽章だったと思いますが、これも素晴らしい演奏でした。1stVnの1人が流暢な日本語で曲目を説明してくれたのが皆さんに受けてました。

 これは付録ですが、この演奏会の途中で1回だけ沖縄特有の「ヤモリ」の「ケッケッケッ」という鳴き声が聞こえてきたのにはびっくりしました。ヤモリは私の家にもたくさんいますが、このようなホールで鳴き声を聞いたのは初めてです。ヤモリも感動したかな。(^_^;)

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