ジュラ・キシュピアノリサイタルを聴きました。ホールは沖縄市民会館。プログラムはシューマンの子供の情景、リストの巡礼の年第1年「スイス」より「オーベールマンの谷」、リスト「詩的で宗教的な調べ」から「葬送曲」、休憩をはさんでシューベルトのソナタ変ロ長調D.960でした。
キシュというピアニストは初めて知りましたが、なんとラーンキ、シフ、コチシュなどど並ぶハンガリーの名ピアニストだったのですね。同じ先生(カドシャ・パール)に育てられた5人組の一番弟子だったようです。
ただ今回のプログラムは私にとっては苦手なプログラム(特にリスト)が多く、印象としては少し薄かったというのが正直な感想です。私はピアノが弾けませんので、どうしてもテクニック的な面はわかりませんし、どちらかというと短い曲が並んだ方が聞きやすいのです。
今回のプログラムでは、シューマンが一番おもしろく聴けました。13曲で構成されるこの組曲は、いろいろ変化に富んでいて楽しめます。キシュの弾き方は、大きな体に似合わず、ピアノの前にちょこっと座り、ほとんど引いているかわからないくらい、動きがない弾き方です。もちろん演奏は超一流でした。
有名な「トロイメライ」では、ゆっくりと一音一音の響きを確認しながら、弾いているような感じ。空調が止められ静かなホールにピアノの音がきれいに響いていました。ついつい、私も引き込まれてしまい、実はシューマンだけで、この夜の音楽を聴くスタミナ(?)を使い果たした次第です。
リストについては、曲がよくわかりませんので触れることができません。これまで何回もピアノリサイタルを聴いていますが、いつもリストが出てくると、私の耳は「判断不可能」状態に追い込まれるのです。もう条件反射的といってもよいかも。この辺で思い切った対策をとらないといけないと思うこのごろです。
シューベルトについてはもっと惨憺たる結果でした。ピアノの音が子守歌に聞こえてしまい、そのまま「眠りの森のおじさん」になってしまいました・・・(-.-)。