久しぶりにエミュ木管五重奏団の演奏会に行きました。このアンサンブルは県内唯一のプロフェッショナル木管五重奏団です。一昨年の演奏会では、ヒンデミットの五重奏が素晴らしい演奏でした。今回の会場は、パレット市民劇場。演奏曲は10曲。木管アンサンブルの演奏会としては結構多い曲目構成でした。
さて、例によって遅れてしまい、第1部の2曲目から聞きました。G.ジェイコブ作曲「木管五重奏曲第2番」。5つの曲からなるものでしたが、そんなに印象にのこる曲ではなく、アンサンブルの響きがとてもすばらしかったことだけが印象に残っています。
次のラヴェル作曲「クープランの墓」。1曲目の「プレリュード」で6連譜が続く超絶テクニックにはびっくり。途中少し息切れの場面もありましたが、とてもおもしろく聞けました。オケの演奏でも木管パートは難しいと思いますが、弦の部分まで全部やってしまうのですから、さすがプロです。それにしても息を抜く場面が無く演奏は大変だろうなと思いました。
第2部は、管弦楽曲からの編曲版による構成。「魔笛」序曲、ドボルザークの「スラブ舞曲第10番」、ショパン「雨だれ」、ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」、ウェーバー「舞踏への勧誘」、J.シュトラウス「アンネン・ポルカ」、J.シュトラウスⅡ「観光列車」ポルカ。
聞く方にとっては、とても興味深く聞ける素晴らしいプログラム。いかに原曲とのギャップを埋めるか、あるいは逆に木管5重奏の良さをアピールできるか、という興味で聞きました。今回の曲目中、私の聞いたところでは、後半「舞踏への勧誘」以後が大変楽しかったです。
「魔笛」序曲は曲が単調で、木管五重奏にはあまり向かないような感じ。「スラブ舞曲10番」は、弦楽器のメランコリックな表現と比べると?。「雨だれ」は、ピアノの音の余韻に相当する部分が管楽器ではロングトーンになってしまい、雰囲気が出にくい。「ケークウォーク」は、管楽器にも合いそうですが、乗りがイマイチだったかな。
「舞踏への勧誘」は、ワルツのメロディーが各楽器に移っていくのがとてもうまく、大変楽しめました。シュトラウスの2曲とアンコールのビートルズメドレーも乗りがよく良かったです。
ただ今回は演奏会の曲目が多かったせいもあるのか、以前聞いたときに比べるとアンサンブルの面で、エミュのレベルとしては少し粗い面があったような気がします。さすがにこれだけの曲数を完璧にこなすのは大変なのだなと思いました。