ほとんどの方は小さい頃に読んだと思います。私も読んだはずなのですが、覚えているのは最初の部分(英軍といっしょに歌う部分)だけで、水島上等兵が部隊から去ったあとの話は、はじめて読んだような気がします。
英軍との交流?や竪琴など音楽が表に出ていますが、これは水島上等兵を登場させるための道具立てで、この本の本当の魅力は、ビルマに残って亡くなった兵士たちを埋葬するという、純粋な弔いの心だと思います。
当時、実際には誰もできないけど、せめて本の中(気持ち)だけでも・・、という作者の気持ちがひしひしと伝わってきます。
でも、やはり合唱の話や竪琴、肩に止まったオウムに「一緒に帰ろう」としゃべらせるなど、いくらこんなこと実在しないとは思っても、感動してしまいますね。
解説にもありますが、音楽と関連して戦闘が中止された事例は、第1次世界大戦のヨーロッパで、クリスマスイブに実際にあったようです。
「ビルマの竪琴」は、この事例をヒントにしたのではないかと書かれています。
実は、この本を読む少し前に、偶然、本家ヨーロッパの事例を元に作られた映画、「戦場のアリア」を見ました。こちらもなかなかよい映画でした。