私のさらっているクラリネット名曲を紹介します。最初は、サン・サーンス/クラリネット・ソナタ OP.167 です。
サン・サーンス最晩年の1921年作曲。フランスのクラリネット音楽の名曲。4楽章からなり、哀愁のある第1楽章Allegertto、軽快な第2楽章Allegro animato、一転して荘重な第3楽章Lento、疾走する第4楽章Molto allegro。第4楽章の最後は第1楽章のテーマが再現されて終わります。
これぞフランス音楽です。とてもわかりやすくて、きれいな曲です。楽譜も読みやすいので、ちょっとさらえば誰でもある程度吹けます。
この曲は奏者によりかなりテンポが違うのがおもしろいです。フランス系の人は全体に速いテンポで吹いているようです。
私の持っているCDから楽章ごとの演奏時間など紹介します。今回いろいろ探したのですが、意外とサン・サーンスが入っているCDは少なかったです。
赤坂達三 3:39 1:59 3:21 4:43
日本の若手名人。3楽章が少し軽いですが、他の楽章はグッドです。とにかくテクニックは抜群ですし、明るく柔らかな音色も好きです。フランスの名人ジャンク・ランスロのような感じです。写真のCD「ソワレな夜」に納められています。残念ながら他にはあまり有名な曲は入っていないので、彼のファン向きです。
ポール・メイエ 3:48 1:42 4:54 4:33
フランス人の現役名人。3楽章をのぞきとにかく速く、今回の中で最速!逆に3楽章は2番目に遅い。音色は私の好みではありませんが、DENONから出ている「フレンチ・クラリネット・アート」に納められていて、他にも有名な曲が入っていて値段も安いのでお勧めではあります。
カール・ライスター 4:28 2:18 3:47 5:29
70才を超えて現役のドイツ・クラリネットの帝王。エーラー管でフランス音楽を演奏するのは難しいはずですが、それを感じさせないのはさすがです。テンポは(私の練習テンポとほぼ同じ・・)、赤坂やメイエを聞いたあとではさすがに遅く感じます。
彼の「フランス近代クラリネット作品集」というCDに納められていて、ライスターの多才ぶりがわかるCDとしてお勧めです。
エフゲニー・ペトロフ 5:16 1:54 4:31 5:20
ロシアの若手だが、1楽章が遅い。輸入盤
リチャード・ストルツマン 5:49 2:06 6:31 5:50
これも有名なアメリカ人ですが、今回の聞き比べの中で、最も遅い。これにはびっくりしました。特に3楽章が唯一6分半。赤坂の倍近い!さすがに2度と聞く気がしない。