ロードス島攻防記

| トラックバック(0)

rodos.JPG  地中海世界を彷徨っています。今回は、塩野七生の「ロードス島攻防記」を読みました。この物語の主役は、この島と聖ヨハネ騎士団。

 トルコの沿岸に近いロードス島に要塞を築き、海賊行為でトルコを悩ませた聖ヨハネ騎士団と、スレイマン大帝率いるトルコ軍の5ヶ月にわたる攻防戦を描いたものです。

 16世紀の前半に行われたこの攻防戦の様子を、例によって塩野七生は見てきたかのように生き生きと描写します。特に城壁攻防の描写は見事です。

 圧倒的なトルコ軍攻勢に対し、5ヶ月も持ちこたえたのはもちろん驚異的。それ以上におもしろいのは、スレイマン大帝は、非常に「騎士」的な和睦条件を提示し、何と生き残った騎士や住民は島外へ無事移動できたのです。

 その後、聖ヨハネ騎士団は、マルタ島に再び要塞を築き、50年後の攻防戦では逆にトルコ軍が退却することになります。さらにこの騎士団はその後の歴史上の変遷を経て何と、マルタ騎士団として現在もローマに残って活動しているとのこと。もちろん今は戦闘はしませんが・・。などなど、歴史はおもしろい。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kinjomu.com/mt/mt-tb.cgi/216

2023年12月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

アーカイブ

Powered by Movable Type 7.3.1