「ノー・カントリー」の殺し屋シガーを演じていたスペインの名優ハビエル・バルデムが、25歳の時の頸椎損傷で、全身不随になった実在の主人公ラモンを演じています。
原題は、スペイン語Mar adentro(内なる海)。首から上しか動かせないラモンが夢の中で部屋から抜け出し海まで飛んでゆくということと、30年近く何もできず家族の介護で生きてきて、将来も同じ状況が続くという運命の「海」を感じさせる原題です。
そのラモンが状況を打開するために決心し実行に移した行動が波紋を呼び、似たような運命に陥った弁護士フリアなど、彼の行動を支援する人々との交流や出来事が描かれています。
暗い内容の映画ではありますが、バルデムの名演で、ほのかに明るさもあり、よい映画です。アカデミー外国語映画賞も受賞しました。