ずっと前に購入してあった本ですが、福島第1原発の状況もあり、ようやく読みました。以前読もうと思ったときは原子力関連のキーワードや科学知識についていけず挫折したのですが、今回は、原発関連情報洪水なので慣れてしまい、読み進むことができてしまいました。
結論的に、原子力エネルギーは石油代替にはならないから、やめるべきだということを、いろいろな視点から述べています。1993年出版ですがそれ以前からの著作を改訂して文庫化したようで、割と読まれているようです。
原子力発電は、ウラン燃料生産、発電所開設、発電そのもの、廃棄物処理、安全管理、事故賠償保険など石油にくらべて途方もないコストがかかるし、もちろんいろいろな過程で石油も莫大に消費するので石油代替にもならない。
加えて、万が一の場合は、日本国を崩壊させる・・、ということです。大震災以前に読んでいたら、単純に知識として吸収して終わりだったはずが、現実になってしまったことの恐ろしさに身震いします。
原発の恐怖がこれ以上無い形で現実化してしまった今、今まで通り原発に頼る生活には戻れないでしょう。これからは「脱原子力発電」を積極的に推進する政党に1票を入れようと思います。