2011年8月アーカイブ

クラリネット・ピアノデュオコンサート1年後の感想で申し訳ありませんが、せっかく感想も書いたし、選曲もなかなかの演奏会だったので・・。

 2010年9月3日うるま市民芸術劇場燈ホール、クラリネット新垣亜貴子、ピアノ森川久美子。ご両人ともドイツに留学した方で、新垣さんは今でもドイツで活動しているそうです。

 「ドイツの風にのって」という副題のとおり、すべてドイツ音楽です。選曲は、かなり「通」向きでした。

 ブルグミュラー(弟)の「クラリネットとピアノのための二重奏」、ヒンデミット「クラリネットとピアノのためのソナタ」、ベルク「クラリネットとピアノのための4つの小品」、レーガー「クラリネットとピアノのためのソナタ第2番」

 新垣さんは前半緊張気味で、すこし不安定な部分もありましたが、後半はしっかり吹いていました。楽器はクランポンだと思います。

 ピアノの森川さんもきちんと弾いていてなかなか実力のある人だと思います。

 ヒンデミットのソナタは割と演奏しやすく、私もときどきさらっています。今回期待して聞いたのですが、個人的には、もう少しテンポ感やボリュームの変化をつけたメリハリのある演奏が聴きたかったです。

 印象深かったのは、ベルクでした。フラッターも使う、割と現代的な大変難しい曲ですが、技巧的にも音楽的にも素晴らしかったと思います。

 レーガーのソナタは、今回の曲の中で、一番動きが少ない曲で、残念ながら、この曲は私には今のところ「理解」できません。

 しかし、今回プロの方の演奏を聴いてレベルの高さに改めて感動しました。他のプロ奏者の方々も積極的にリサイタルをしていただければと思います。

韃靼疾風録

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韃靼疾風録


司馬遼太郎 韃靼疾風録

 平戸松浦藩の桂庄助と女真族の娘アビアが明という国から清に移り変わる時期の中国を駆け抜ける物語。

 主人公は創作だが、中国東北地方(満州)に住んでいた女真族のヌルハチ、ホンタイジ、ドルゴンなどの王族とその生き方を描き、1911年(明治44年)まで続いた清帝国がどのようにして成立したのか興味深く描いている。

 創作部分と、清成立の歴史的事実の解説的描写がうまく組み合わされ、大変おもしろく一気に読みました。

 ちなみに、題名の韃靼は、本来のタタール人=モンゴル民族一般を差す使い方とはちょっと違っていて、少し違和感がありますがやはり小説の題名としては、この題名の方が売れるのではないでしょうか。

街道をゆく9


 街道をゆく9は、潟のみち(新潟)、播州揖保川・室津みち、高野山みち、信州佐久平みちを旅している。週刊朝日1976年1月~10月連載

 潟のみち。今の新潟市の海岸沿いは、いわゆる潟だった。人々は、潟の中に稲を植え、わずかに盛り上がった土地に家をたてた。
 昭和30年代まで、潟の中の水田地帯が残っていて、「肩」まで水につかるような農作業があったらしい。

 そのように苦労して作り上げた水田だが、明治の地租改正による現金払いの税金を払えないことから、土地を大地主に安く譲って小作になった。生活はどんどん苦しくなった。ついに大正年間に大規模な小作争議が起こったそうだ。

 播州揖保川・室津みち。兵庫県の西、揖保川沿いを一宮から龍野市、室津の港まで旅している。
 龍野市は三木露風の生地で童謡「赤とんぼ」の舞台だった。室津は、遣唐使の時代から江戸期の参勤交代のまで、瀬戸内海のなかでの賑わった港だったらしい。何となく懐かしさが漂う旅である。

 高野山みちは、真田幸村が一時住んでいた九度山から高野山へ。諸国を回り空海信仰を広めて歩いた高野聖について詳しく解説し、高野山の発展に寄与したとしている。
 私もグーグルストリートビューで高野山まで旅してみた。人の寄りつかない山奥だとばかり思っていたら、「高野山」自体は、観光地でたいそうな町だったのでびっくり。

 信州佐久平みちでは、千曲川沿いを旅し、周辺に起こった諸豪族のルーツ、木曾義仲、真田家、一遍上人、平安時代の馬牧場(御牧)について考える。松本までは行ったことありますが、このルート沿いは一度ゆっくり旅してみたい。

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