平戸松浦藩の桂庄助と女真族の娘アビアが明という国から清に移り変わる時期の中国を駆け抜ける物語。
主人公は創作だが、中国東北地方(満州)に住んでいた女真族のヌルハチ、ホンタイジ、ドルゴンなどの王族とその生き方を描き、1911年(明治44年)まで続いた清帝国がどのようにして成立したのか興味深く描いている。
創作部分と、清成立の歴史的事実の解説的描写がうまく組み合わされ、大変おもしろく一気に読みました。
ちなみに、題名の韃靼は、本来のタタール人=モンゴル民族一般を差す使い方とはちょっと違っていて、少し違和感がありますがやはり小説の題名としては、この題名の方が売れるのではないでしょうか。