陳舜臣・NHK取材班 シルクロード 第五巻 天山南路の旅 トルファンからクチャへ

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陳舜臣・NHK取材班 シルクロード 第五巻 天山南路の旅 トルファンからクチャへ  NHKシルクロード特集書籍版第五巻は、天山南路の旅。タリム盆地(タクラマカン砂漠のある大盆地)北には、天山山脈がそびえている。この山脈の南側をとおるシルクロードが天山南路。

 敦煌から北東にハミ、トルファン、カラシャール、コルラ、クチャ、アクス、カシュガルと続く道。この中では火炎山とトルファン周辺の遺跡群(高昌故城、交河故城、ベゼクリク)と、クチャのスバシ故城など、砂漠に埋もれることなく、しっかり残っており、グーグルマップの航空写真でもすぐに見つけられる。

 トルファン地域は漢時代は車師国、唐の時代は高昌国だったが、いわゆる西域全体の東端に位置しているので、匈奴や漢などの大国にいつも振り回されていた。玄奘三蔵はこの高昌国を通ってはるかインドまでいったそうだ。

 その後高昌国は7世紀半ば唐に滅ぼされ、唐の支配下に入った。そのおかげでトルファン名産の葡萄酒が唐で流行したようだ。その頃まではイラン系の住民だったが、そのごトルコ系のウィグル族がこの地域の覇権を握り宗教もイスラム教になった。

 トルファンには、カレーズという砂漠の地下を掘り進めた地下水道がまだ残っていたそうだ。トルファンからコルラまでは当時ほぼできあがっていた南疆鉄道を利用して移動したようだ。

 クチャは亀玆国の跡地。亀玆の場所は、西域のほぼ中央にあり、漢の時代から4世紀頃までかなり栄えたらしい。後漢の時代の名将班超の進出、4世紀に滅ぼされたときは、名僧鳩摩羅什と亀玆楽が中原にもたらされた。クチャ近くのキジル千仏堂の壁画には五絃琵琶を弾く伎楽飛天の絵がある。正倉院に残る五絃琵琶と同じらしい。

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