11)ミス・トーン@の最近のブログ記事

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 日本音楽コンクールのクラリネット部門本選をFM放送録音で聞きました。


 クラリネット部門は3年に1回ですが、今年は我が沖縄県出身の川上一道さんが入選かつ聴衆賞に選ばれました。
 
 本選課題曲は、フランセのクラリネット協奏曲。今回の放送で初めて聞いたのですが、超難曲です。1位から3位までは全楽章。入選の2名は抜粋で放送されました。

 1位になった田中さんの演奏は大雨の降る中での車内で聴いていたので、細部は聞けませんでしたが、確かにすごく生き生きとしていて、曲の持つ雰囲気が良く伝わる演奏でした。

 川上さんはどちらかというとドイツ音楽向きの音色なので、フランセの軽めの音楽での「勝負」では、少し及ばなかったのではと思います。

 5名とも同じ曲を演奏したのですが、それぞれ特徴のある音色や響きで、飽きずに楽しめました。コンクールということで優劣がつけられますが、通常の演奏会で聞けば、皆大変すばらしい演奏だと思います。

 フランセの協奏曲は超難曲ですが、すばらしい曲なので、楽譜を購入してさらってみようかと思います・・・(^_^;)
 

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 昨日、某オーケストラの練習後飲み会があり、深夜に代行さんで帰りがてら、カーオーディオのFMをかけたらなんとクラリネットのソロが聞こえてきました。

 
 特徴のある「ちりめん・ビブラート」の音を聞いて、すぐに演奏者がわかりました。フランスが生んだ名クラリネット奏者 Jacques Lancelot です。ジャック・ランスロと読みます。

 NHK交響楽団の主席奏者横川氏を始め、この人に学んだ日本のクラリネット奏者はたくさんいます。残念ながら彼は今年(2009年)2月に89歳で亡くなりました。

 私の高校時代、すでにこの人は世界的な奏者だったのですが、私にとってはまだ名前だけの人でした。大学時代に私の住む某地方都市で彼のクリニックがありました。

 その様子を見学に行ったのがこの人との唯一の接点です。その際、生演奏も聴けましたし、彼のレコードを記念に購入し、サインももらいました。写真はこの頃のものだと思います。

 実はFMで流れていたのは、このレコードの演奏だったのです。クラリネットの初歩学習者向けの簡単でメロディーのきれいな小曲を集めたレコード。タイトルは、「La Clarient Classic」。

 コンチェルトやソナタなどの名人は多いですが、このレコードに納められた簡単な曲を魅力的に演奏できる人はあまりいないのでは?と思います。

 そういう意味でジャック・ランスロは、私の理想とするクラリネット奏者の一人です。

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 11月7日に行われたサンクトペテルブルグフィル演奏会のFM生放送及び衛星放送録画を見ました。


 指揮は、ユーリー・テミルカーノフ、Vnは庄司紗矢香。主な曲目は、チャイコフスキーのVn協奏曲と交響曲第5番。

 庄司紗矢香のVn協奏曲はなかなか良かったと思います。1楽章出だしは、少しオーケストラと「離れて」いましたが、長いカデンツを弾ききったあとから、オーケストラとの一体感が出てきて、俄然良くなりました。
 
 サンクトペテルブルグフィルは、ロシアの老舗オーケストラ(旧レニングラード・フィル)で、そのサウンドはやはり今もロシア的な迫力のあるものです。また協奏曲のクラリネットトップは、深みのあるいい音でした。

 FM放送で聞いていたときは、5番交響曲でクラリネットトップの音色ががらっと変わったので、奏者が変わったのがすぐわかりましたが、そのときは若手奏者に変わったのだろうと思いました。

 TVで見ると、こちらがベテラン奏者でしたが、いまいちでした。1楽章出だしは良かったのですが、途中から乗りが悪くなり、3楽章では、ついに早いパッセージで落っこちてしまいました。

 ところが衛星放送を録画してみると、何と落っこちたはずのところが、うまくつながっています。一瞬私の耳が間違ったのかと思いましたが、画像をよく見ると、音と映像が合っていません。

 つまり音声は編集されていてうまくつながっているのですが、画像はそのままで、彼は吹くのをやめて、首をかしげていました(-_-;) 

 ベテラン奏者さんには災難の日でしたね。人生たまにはこういうこともあるのさ・・・。ご同情申し上げます。 
 

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 私の所属する沖響の定期演奏会も無事終了し、通常のクラリネットで出る演奏会は本年はすべて終了。


 今年は、7月にベートーヴェンのピアノ協奏曲5番と、この間のサン=サーンス/ピアノ協奏曲第5番(奇しくも番号が同じ・・)と、ピアノ協奏曲を2曲も吹く機会に恵まれました。

 残念ながら、ベートーヴェンでは納得のいく演奏ができませんでした。原因はいろいろありますが、結局私には合わない曲だったのかと・・・。ミューズは私に微笑んでくれませんでした。

 その後、サン=サーンスの練習に入り、こちらはひょっとすると音楽的には自分に合っていそうだと思いつつも、マウスピースが試行錯誤状態でうまく吹けない。

 写真に写っているたくさんのマウスピースは、試行錯誤の残骸です(;´_`;) そういえば、マーラーの「復活」の時もこんな感じでした。

 結局、9月に900円程度で落札したポマリコの傷有りクリスタル・マウスピースが最終結論となり、本番では、ある程度納得できるフランス音楽っぽい音が出せました。

 そうそう、サン=サーンスのピアノソロは大城英明さん。素晴らしい演奏でした。おかげで、私の演奏経験の中でも記憶に残る協奏曲伴奏になりました。大城さんに改めて感謝!

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 プーランクの晩年1962年に、ベニー・グッドマンの求めに応じて作曲されました。
 友人オネゲルへの追悼の意図もあったのですが、プーランク自身が翌年1963年に亡くなり、ベニー・グッドマンとバーンスタインによる初演(豪華!)は、プーランクの追悼演奏会になってしまったそうです。


 20世紀後半に入って作曲されたとは思えないほどわかりやすい曲です。伴奏のピアノもきれいで、クラリネットと掛け合いの部分も多く、そのあたりをうまく生かした(録音した?)演奏が私は好きです。
この曲は7枚のCDがありました。


第1楽章 Allegro tristmente プーランク得意の流れるような旋律。
第2楽章 Romanza この楽章がオネゲルへの追悼。心にしみるメロディーです。
第3楽章 Allegro con fuoco 一転して快活で明るい楽章。
 3楽章の途中、練習番号④の1小節前で、楽譜どおりだとミ♭、ファ♯、ファ、ソ♯ですが、メイエとライスターは、2番目をミで吹いています。このほうがやりやすいし、自然な感じなので私もそれでさらっています。

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