2008年1月アーカイブ

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 今年初めて聞いたコンサートはクラリネットでした。2008年1月14日、会場は那覇市のカトリック安里教会聖堂。
クラリネットはハンガリー出身、カールマン・ベルケシュ。実は今まで知らなかったのですが、なかなかの奏者です。LPやCDも割とあるようです。


 曲目は、モーツァルト/クラリネット5重奏曲、ブラームス/クラリネットソナタ1番と2番、シューマン/幻想小曲集。
アンコール的に、ブラームスのソナタ断章。
 共演と伴奏は、弦楽もピアノもすべて沖縄の奏者でした。

 最後の曲をのぞけば、リサイタル定番の曲。もちろん私も大好きで、よく吹いている曲ばかりです。
 ベルケシュの楽器はベーム式のようなですが、音色は暖かく、今回のドイツ音楽プログラムはぴったりでした。

 モーツァルトの5重奏は、冒頭のスラーのメロディがとてもきれいで、いきなり引き込まれました。一瞬エーラーシステムでは?と思わせる音色です。A管で吹くのですが、わりと軽快で明るい感じながら、きれいな音でした。
 4楽章の後半、16分音符の速いパッセージもばっちりで、そのあとのゆったりした部分も美しいレガート。共演の弦楽器陣も、全体にきれいに弾いてました。

 おもしろかったのは、ブラームスのソナタ第1番。この曲はB♭管なので、モーツァルト5重奏のA管の音色からすると、ひょっとすると明るすぎる音色になるかも、と思っていたら、それを飛び越して、最初はすごいヒステリックな音色でした。
 いくらなんでも?と思っていたら、演奏の合間にたびたびリードを気にしているので、どうやらどこかおかしいようです。

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 今更ですが、読みました。名作です。涙なしには読めません。


 ほとんどの方は小さい頃に読んだと思います。私も読んだはずなのですが、覚えているのは最初の部分(英軍といっしょに歌う部分)だけで、水島上等兵が部隊から去ったあとの話は、はじめて読んだような気がします。

 英軍との交流?や竪琴など音楽が表に出ていますが、これは水島上等兵を登場させるための道具立てで、この本の本当の魅力は、ビルマに残って亡くなった兵士たちを埋葬するという、純粋な弔いの心だと思います。

 当時、実際には誰もできないけど、せめて本の中(気持ち)だけでも・・、という作者の気持ちがひしひしと伝わってきます。

 でも、やはり合唱の話や竪琴、肩に止まったオウムに「一緒に帰ろう」としゃべらせるなど、いくらこんなこと実在しないとは思っても、感動してしまいますね。

 解説にもありますが、音楽と関連して戦闘が中止された事例は、第1次世界大戦のヨーロッパで、クリスマスイブに実際にあったようです。
 「ビルマの竪琴」は、この事例をヒントにしたのではないかと書かれています。

 実は、この本を読む少し前に、偶然、本家ヨーロッパの事例を元に作られた映画、「戦場のアリア」を見ました。こちらもなかなかよい映画でした。

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  英語勉強の一環として、どうにか続いているものの一つがこれです。


 私がやってきたのは特打英単語シリーズ。TOEICの470点、600点、730点、860点コースと4コースあり、1コースに1200単語ありますので、一応4800単語さらったことになります。

 6年以上かかって昨年末に、ようやく全シリーズを終えました。600点コースまでは見覚えのある単語が多かったので、すんなり進んだのですが730点からは、初めての単語がほとんどで、終えるまでにかなり時間がかかりました。

 勉強した効果としては、仕事柄、PC用語の原語に慣れることができたのと、映画などで覚えた単語が出てくるのがうれしいです。

 最近では、tribunal(法廷、裁判所)という単語を覚えましたが、どうも他の裁判用語と関連性が感じられず、?でした。
 たまたまローマ関連のTV番組を見ていて納得。円形競技場で、皇帝など主催者が、gladiatorたちの生死の指示を出す場所が、tribunalなのです。今では国際法廷の場合に用いられるようです。

 さすがに860点レベルを終えると、単語力はともかく、英語への恐怖感はなくなりました。今後は時事用語や、熟語などを勉強したいと思います。

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 6日放送NHKBShiの地球特派員スペシャル「カーボンチャンス、温暖化が世界経済を変える」を見て、衝撃を受けました。


 ドイツにおける環境対策の進展、中国におけるCDM(Clean Development Mechanism)ビジネスの盛況ぶり、アメリカの原子力発電への回帰など。

 特にドイツ。電力会社に課せられたクリーンエネルギー電力の買取義務、養豚などの糞を利用するメタンガス発電の村、環境に優しい自転車を利用する町ミュンスター(写真参照)、1ヶ月!(1日ではないです)のゴミが小さなゴミ箱1つ分で足りる家など・・。

「緑の党」という、環境問題に急進的な政党が躍進し、政治に参画しているのは知っていましたが、ここまで変わっていたとは。

 ひたすらエネルギー浪費大国アメリカの顔を伺い、今や環境問題では後進国となりつつある?我が国とのあまりの違いにびっくりです。

 今年のサミットでは、環境問題が一番の重要課題となるようですが、年金問題という極めて内向きの問題に煩わされている我が国の状況を考えると、開催国として日本が国際的に評価されるような結果は期待できそうにありません。

 しかし、今年、世界の今後を左右するであろう、米大統領選挙があります。日本も衆議院総選挙があります。今年は今後10年を左右する重要な年になりそうです。
 
 私は、環境問題を正面に据えた新しい政党の登場を期待します。というのは、環境問題は、いろいろな側面があるので、これを総合的に議論し、解決策を考えていくと、我が国の抱えているいろんな状況の改善にもかなり貢献するのではないかと思うからです。

 番組ではパラダイムシフトという言葉が出てきました。つまり、環境問題対策こそが、これからのparadigmであると。

 さて、番組の内容は、大変すばらしかったのですが、パネリストで、自分の国のことを「この国」と表現する人がいたのは?です。普通に「我が国」といって欲しいです。

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 明けましておめでとうございます。

 2008年(平成20年)の幕開けにふさわしい?「笑えるクラシック」という、本です。本屋さんでついつい題名に釣られて買ってしまいました。

 題名はともかく、この本は読みながら笑えるのではなく、読んであとに曲を聞くと、笑えるかも?というものです。

 3部に分かれていて、1部に取り上げられているのが、なんと「第九」、「ボレロ」、「英雄の生涯」、「レニングラード」です。
 これらの曲のどこが「笑えるのか」という方がほとんどだと思いますが、ヒントとしては、堅苦しく聞くべきではない!というところでしょうか。あとの内容は読んでみて下さい。

 演奏する身としては、「第九」しか経験がないのですが、他の曲も大変な難曲であることは間違いないです。それを「笑える」というのは、不謹慎かも、と思いますが、だんだん「なるほど」と思わされ、ひょっとして演奏機会があると、少しは、肩の力が抜けそうな気がします。もちろん、聞く分にも役に立ちます。

 第2部は、ユーモアにあふれたオペラの紹介です。これは、ご存じの方には、内容の確認だけでしょう。
 今までオペラに親しみのない方には、聞いてみるきっかけになると思います。モーツァルトの「フィガロの結婚」など、超有名なものが紹介されていますので、親しみやすい(笑える)オペラ入門としてよいと思います。

 この中で、私のお薦めは、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」です。ベックメッサーという、役柄が笑える役でして、ワーグナーのオペラ・楽劇の中、唯一笑いをとれます。

 第3部は、曲そのものが笑いをとれそうな物が紹介されています。
 このあたりが、本当に「笑えるクラシック」という感じがします。実は、バッハの「コーヒー・カンタータ」、モーツァルトの「音楽の冗談」、ハイドンの交響曲第60番「うっかり者」、ベートーベンの「なくした小銭への怒り」!など、私もまだ意識して聞いたことのない曲がありまして、勉強になりました。

 全体を通して、R・シュトラウスとラヴェルは、かなり気持ちを変えて聞かないと、と思いました。 

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