第10回木管アンサンブルの夕べ(2000年3月13日)

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 沖縄県立芸大の学生有志による木管アンサンブルを聴いてきました。ホールはパレット市民劇場。今回で第10回というのですから、結構演奏しているわけですが、なぜか今まで聞いたことがありませんでした。

 学生有志によるということなので、学生の自発的意志により演奏会を開催していると思います。プログラムは、ヒンデミット「5つの管楽器のための小室内楽曲」、メンデルスゾーン「クラリネット、バセットホルンとピアノのための小協奏曲第2番ニ短調」、プーランク「ピアノ6重奏曲」、休憩の後、ライヒャ「五重奏曲ハ長調作品91の1」、ボザ「夏山の一日」(Fl4重奏)、モーツァルト「クラヴィーアと木管の為の五重奏曲」と、大変多彩でした。

 2年生から大学院2年まで総勢20人以上が入れ替わり立ち替わり、いろんな曲を演奏するのは、なかなかおもしろかったです。また、学年の違いによる演奏のレベルが歴然としていてなるほどと思いました。

 ヒンデミットの小室内楽曲はとてもよい曲ですが、2年生主体のアンサンブルは少し力不足だったようです。テクニック面はともかく、曲を消化し切れていないという感じがしましたし、アンサンブルという一体感がない?というのも、曲やフレーズの頭での合図や呼吸がうまくとれていないか、全くやっていない?という感じがしました。

 メンデルスゾーンは、初めて生演奏を聴きました。ところでバセットホルンは本物なんでしょうね。私はみたこともさわったこともないもので・・・・。感想としては、少し1番クラが力不足。フレーズ感が不足していて、演奏のテンポをぎくしゃくしたものにしている感じでした。バセットホルンはさすが大学院生でうまかったのですが、いかんせんあの鼻にかかった音が、どうも通常のB管と合わない。

 プーランクのピアノ6重奏も初めて聴きました。演奏そのものはうまかったと思いますが、なぜか個々の楽器の音がとらえがたくて、全体のざわざわとした感じだけしか聞こえませんでした。曲がよくわからなかったです。(私に理解できないだけか?)

 休憩後のライヒャ。木管アンサンブルの定番ですが、やはりこのアンサンブルも学年の若い人たちのアンサンブルということで、まとまりがいまいちでした。ただ、目を閉じて聞いているとそれなりに音はきちんと合っているし、響きもきれいです。ところどころ細かいパッセージで粗が目立ちましたが。

 ボザのフルート4重奏はよかったです。テクニックやフレーズ感、音のつながりなどアンサンブルとしては一番まとまって聞こえました。フルートだけですから当然ですが。それにしてもいつも思うのは、フルートはハーモニーがきれいに聞こえる楽器だということです。今更ながら認識しました。

 最後のモーツァルトは、さすがに4年生のアンサンブル。テクニック、アンサンブルともどれをとってもすばらしい演奏。ピアノと木管のバランスもとてもよく、かなり意識して調整している感じでした。

 この演奏会を聞いて、一番感じたのは、これからどんな曲が始まるか、いまからどんなフレーズを演奏するのか、という一瞬の呼吸やちょっとした「間」というものは、大切なものだなと思いました。やはり2年生主体のアンサンブルでは、このあたりがうまくないような気がしました。でも、これだけいろんな曲が聴けて、演奏もまあまあで、入場料800円は安いです。(^。^)

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