2011年3月アーカイブ

奇跡の教室
 東大合格者数日本一を誇った灘校。私には全く縁がない世界だったのですが、意外なところでつながりました。

 中勘助「銀の匙」の世界を、中学課程の3年間かけて教えた先生がいたのです。新聞でこの本の紹介を読み、すぐに注文しました。その先生は、橋本武。

 教科書使わない、3年もかけて一冊の本しか勉強しない。いったいどんな授業だのか興味津々でした。「銀の匙」に出てくる当時の生活風俗や、古典文化世界を、常に脱線しながら、実際に味わってみたり、遊んでみたり、研究してみたりという授業だったようです。

 「銀の匙」は、確かに脚注がすごく、一語一語脚注で確認しながら読み進む感じでした。この本の著者、伊藤氏貴が書いていた思いますが、大学時代の原書講読の雰囲気のおもしろバージョンですか。

 おそらく灘の生徒だからできることとは思いますが、それにしても毎回脱線用の?いろんなプリントを用意したはずなので、大変なことだったろうと思います。

 そのような教師の熱意と日本一頭のよい子供たちが結びついて、このような授業ができたのでしょう。私自身の中学時代には全く考えられない内容です。

 私は何十年もかけて、ようやくこの教室の初期段階にたどり着いたと思いますが、それも奇跡かも・・。こんな授業があったということで、ちょっとうれしく感じました。

 久しぶりのブログ記事は悲しいニュース。平成23年3月11日(金)に起きたこの大震災は、まさに国難である。

 リアルタイムで見た大津波の映像は衝撃的だった。さらにその後の被災地域の壊滅状況は、信じられない情景ばかりだ。

 大地震、大津波による破壊に加え、原子力発電所の崩壊危機も引き起こし、予断を許さない状況だ。

 幸いに生き延びた被災者の方々も、食料、寝具、水、電気、医薬品が回ってこないという、世界第2位の経済力を誇った日本の中とは思えないほどの、悲惨な状況下にある。

 まずは犠牲者に哀悼の意を表し、生き残った被災者の方々が一日でも早く安心して日々を過ごせる状況がくることを願う。

 私には直接ヴォランティア活動をやるような勇気も体力もないので、ささやかながら義援金を赤十字に提供する。

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