たまたま放送しているのを一部見ましたが、大変素晴らしい、感動的な演奏会でした。
1990年から長年にわたり総支配人をしてきたジョセフ・ヴォルペという人の引退を記念した去年のコンサート。この支配人は、歌劇場の裏方からスタートして、総支配人までて登り詰めた人だそうです。
指揮にワレリー・ゲルギエフやドミンゴ、ソリストにトーマス・ハンプソン、ミレッラ・フレーニなどそろえた豪華な演奏会です。
まずは、クラリネット的な興味で、モーツァルトの歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」から、ソプラノのアリア「私は行くが、君は平和に」に感動。
もちろんソプラノソロも美しいのですが、クラリネットが、きれいなオブリガードを、ほぼ最後まで吹くのです。通常このようなオペラアリアでオケ伴奏者が画面に映るなんてありませんが、この場面では何度もクラリネット奏者が出てきました。
黒人奏者でしたが、とてもきれいな・・・、ほれぼれするソロでした。これは早速CDと、楽譜を入手せねばと思いました。
この年になるまで、モーツァルトの歌劇に、こんな素晴らしいソプラノとクラリネットのデュエット?があったなんて知りませんでした。恥ずかしい限りです。
通常クラリネットが活躍するのはモーツァルト晩年なので、そのころの歌劇だろうと思ったら、やはりK.621でした。
ミレッラ・フレーニが出てきた時の、引退する支配人に対するスピーチも、いかにもオペラ的で素敵でしたし、一番最後に支配人さんを、「裏方」さんの椅子に座らせて、ルネ・フレミングが、歌った歌もジーンときました。
曲名は忘れましたが、要は「この歌をあなたの前で歌ったら、もう二度と他人の前では歌わない・・・」というような、内容でした。
アメリカという国は、こういう事をさせたら本当に演出の上手な国です。
他にも、素晴らしいソロがいっぱいありました。もしまた放送する機会がありましたら、是非録画しなければ。
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