地中海世界を彷徨っています。今回は、塩野七生の「ロードス島攻防記」を読みました。この物語の主役は、この島と聖ヨハネ騎士団。
トルコの沿岸に近いロードス島に要塞を築き、海賊行為でトルコを悩ませた聖ヨハネ騎士団と、スレイマン大帝率いるトルコ軍の5ヶ月にわたる攻防戦を描いたものです。
16世紀の前半に行われたこの攻防戦の様子を、例によって塩野七生は見てきたかのように生き生きと描写します。特に城壁攻防の描写は見事です。
圧倒的なトルコ軍攻勢に対し、5ヶ月も持ちこたえたのはもちろん驚異的。それ以上におもしろいのは、スレイマン大帝は、非常に「騎士」的な和睦条件を提示し、何と生き残った騎士や住民は島外へ無事移動できたのです。
その後、聖ヨハネ騎士団は、マルタ島に再び要塞を築き、50年後の攻防戦では逆にトルコ軍が退却することになります。さらにこの騎士団はその後の歴史上の変遷を経て何と、マルタ騎士団として現在もローマに残って活動しているとのこと。もちろん今は戦闘はしませんが・・。などなど、歴史はおもしろい。
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